学校や職場でインフルエンザが流行っていても、自分は元気だし大丈夫と思っている人は注意です。インフルエンザにも潜伏期間が存在して、気づいたら身体が怠くなっているかもしれません。潜伏期間についてや症状などしっかり理解してしかるべき対処をしましょう。今回はインフルエンザについて詳しく解説します。

タミフルの効果と服用の際の注意点

タミフルを処方する医者

タミフルは2001年2月に発売され、多くのインフルエンザ患者に処方され、服用されてきました。
世界のタミフル使用患者のおよそ9割は日本人とも言われているほど、日本ではポピュラーな医療用医薬品です。
添付文書を参考にすると、タミフルはA型とB型のインフルエンザウイルス感染症又はA型とB型インフルエンザウイルス感染症の予防に効果があるとされております。
つまり、治療としてだけでなく予防としての適応もとっています。
しかしながら予防では、インフルエンザ罹患患者と同居している高齢者等一部の人に限られています。
また、他のインフルエンザ治療薬も同様ですが、インフルエンザの症状(高熱、全身倦怠感、食欲不振、関節痛、筋肉痛など)が出てから2日以内に投与を開始しなければ、臨床試験でのデータがないため、しっかりとした効果が得られない可能性があります。

インフルエンザシーズンで体がだるいと感じた時には、何の症状が出ているのか、それがインフルエンザ様症状にあたるようであれば、すぐにかかりつけのクリニックに行き、検査を受けるようにすることが大切です。
インフルエンザは感染後おおよそ2日でインフルエンザウイルス量がピークとなり、その後は減少していきます。
タミフルはウイルスの複製ではなく、細胞からの遊離を防ぐことで効果が出ると言われているため、感染後2日以内に服用する必要があります。
また、熱が下がったからと言ってタミフルの服用を2日程度でやめてしまうのは好ましくないでしょう。

症状が治まった後も、ウイルスの放出は続きますので、家族や周囲の人へ感染してしまうことを防ぐ意味でも5日間の服用が必要となります。
また、早く治したいからと、タミフルと他のインフルエンザ治療薬を同時に服用することは避けましょう。
基本的にはインフルエンザ治療薬は同じ作用機序ですので、あまり意味はありません。
通常の季節性のインフルエンザでは重症患者への倍量投与にすることも効果の点で勧められておりません。

タミフルの異常行動、実際にどんなこと?

2007年をピークにタミフルを服用した10代のインフルエンザ患者において、異常行動が各地で報道され、マスコミで大きく取り上げられました。
この異常行動と言われる事象には10歳代の転落・飛び降り等の事故が複数報告されています。
ここではタミフルにおける異常行動の因果関係と、注意点について記載します。

飛び降りなどの異常行動とタミフルの因果関係については2009年6月に厚生労働省によって安全対策調査会が開かれましたが、原因は何なのか、安全対策調査会において明確な因果関係は示されておりません。
因果関係は示されなかったものの、因果関係を完全に否定することは難しいことなどから、原則として10歳代の服用は差し控えることが妥当とされています。
ただし、ハイリスクと見られる患者においては医師の判断で10歳代へ処方することは可能となっております。
なお、タミフル以外のインフルエンザ治療薬においても同様の異常行動の報告が挙げられています。
そのため、タミフルを含む他のインフルエンザ治療薬を10歳代に服用させる時には、家で一人にさせず、少なくとも2日間は保護者の目の届くところで看病をするなどの注意点があります。

異常行動を引き起こす要因としてタミフルの脳への移行が考えられますが、マウスを用いた基礎実験では高容量投与した場合に、脳へ移行したという報告がありますが、ヒトにおける通常量の容量では移行しないと考えられています。
また、インフルエンザがひどくなると脳症を引き起こす可能性もあることから、タミフルの服用の有無に関わらず、異常行動には注意する必要があります。
特に10歳代における異常行動が多く報告された、該当年代におけるタミフル服用患者には気を付けておきましょう。